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相続人とは

Q14 相続人となるのはどのような人なのですか?

A14 民法では相続人になる者を定めており,相続人を勝手に決めることや,原則として相続人から除外することも認められていません。
まず,亡くなられた方の配偶者は常に相続人となります。つまり,亡くなられた方の夫あるいは妻は常に相続人となります。
配偶者とともに第1順位で相続するのが亡くなられた方の子です。なお,その子が先に亡くなっている場合にはその子(孫),さらにその子も亡くなっている場合にはその子の子(ひ孫)と際限なく相続権が引き継がれていきます。これを直径卑属による代襲相続といいます。
直径卑属が一切いない場合,配偶者とともに相続するのは亡くなられた方の両親が相続人になります。両親がいずれも顕在であれば,両親とも相続人となりますが,何れも亡くなられている場合には,さらにその両親(祖父母)と際限なく相続権が引き継がれていきます。これを直系尊属による代襲相続といいます。
直径卑属,直径尊属が一人もいない場合,配偶者とともに相続するのは亡くなられた方の兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹の場合,直径卑属や直系尊属と異なり代襲相続をするのはその子,つまり甥や姪までです。仮に,甥や姪が既になくなられているとき相続権はなくなります。

Q15 亡くなった配偶者と長年別居生活をしていても相続人になるのでしょうか?

A15 長年別居生活をしていても,法律上配偶者であるならば相続人になります。また,別居中に生計をともにする異性がいても,相続人となるのです。
民法は,法律上の配偶者であるか否かのみで相続人か否かを決定する立場をとっていますので,配偶者が実体的に婚姻関係を継続しているかどうか,愛人がいるかどうかは問題にならないのです。これには,違和感を覚えるかもしれません。しかし,民法が,ただでさえ複雑な相続の問題がより一層複雑になることを,相続人の決定を画一的に行うことで防止しようとしているだということで理解してください。

Q16 配偶者が亡くなった後,名字を旧姓に戻したのですが,それでも相続人となるのですか?

A16 婚姻により氏を配偶者の氏にした人が,相手方と死別した後に婚姻前の氏に戻すことを復氏といいます。このような復氏を行っていようが,配偶者の姓を引き続き使用していようが相続とは全く関係ありません。復氏した方でも相続人となります。

Q17 配偶者が亡くなった後,再婚したのですが,それでも相続人になるのですか?

A17 配偶者が亡くなった後に再婚した場合でも,以前に配偶者であったということには変わりありません。亡くなられた方が死亡した時点で遺産相続が開始し,そのときを基準に相続人の範囲が確定され,その後に生じた身分関係の変化は関係ないのです。 ですから,配偶者が亡くなった後に再婚した場合でも相続人でなくなるということはありません。

Q18 配偶者は,常に相続人となるということですが,長年一緒に暮らし,実質的に夫や妻になっている人にも相続が認められるのでしょうか?

A18 遺産相続でいうところの夫や妻というのは,正式に婚姻届を提出している者のことを指します。内縁の夫や妻は,長い間生計をともにしたり,子供をもうけていたとしても相続する権利がありません。 ただし,内縁の夫や妻には,亡くなられた方に相続人がいない場合,亡くなられた方の建物賃借権に限って承継することができます(借地借家法36条)。これは,長年生活をしてきたにもかかわらず,内縁の配偶者が亡くなったことで住居を奪うのは気の毒であるという理由による特別の規定です。
Q15で説明したように夫婦としての実態は消滅していても相続人となり,実質的には夫婦といえる場合に相続人とならないという結果に違和感があるかもしれません。しかし,これは,民法が,ただでさえ複雑な相続の問題がより一層複雑になることを,相続人の決定を画一的に行うことで防止しようとしているだということで理解してください。

Q19 配偶者とともに子が第1順位で相続人なることは分かりましたが,子のなかには養子縁組で子となった者も含まれるのですか?

A19 第1順位の相続人の中には養子縁組によって子となった養子も含まれます。そして,養子は,実の子と対等な立場で相続することができるのです。
また,養子は,養親の相続人となるだけでなく,実の両親との関係でも相続人となります。

Q20 第1順位で相続人となる子には,母親のお腹にいる子も含まれるのですか?

A20 含まれます。 民法では,人は出生により権利を取得したり義務を負うと規定されています(民法3条)。しかし,遺産相続に関しては,特別の規定が設けられており胎児,つまり母親のお腹にいる子も相続することができるとされているのです(民法886条)。これは,子が母親のお腹にいる状態で父親が亡くなった場合,父親の死亡が少し遅ければ相続できたが,偶然早かったために相続できないという事態を回避するために設けられました。父親が亡くなって,父親の遺産を最も必要とするのは,母親とその子です。であるならば,出生していようが,胎児であろうが,母親と子に相続させることは当然のことと言えます。

Q21 夫婦でない男女の間に生まれた子も相続人となるのですか?

A21 夫婦でない男女の間に生まれた子も子であることには変わりはありませんので,相続人となります。
夫婦でない,つまり婚姻関係にない男女間に生まれた子のことを非嫡出子といいます。非嫡出子は,母親との関係では,分娩の事実により子であることが明らかですから相続人となるのに特別な手続が必要ありません。
しかし,父親との関係では,戸籍上の父の認知の届があってはじめて相続人となるのです。なお,認知は,遺言で行うこともでき,生きている間は認知しなくても,遺言によりこっそり認知することも可能なのです。
仮に,父親が認知を頑なに拒んだ場合には,家庭裁判所で認知を求める調停を行い,それでも認知に応じない場合には訴訟を提起することになります。認知の請求は,父親が亡くなっている場合でも,亡くなってから3年間については訴訟を提起することで求めることができます。

Q22 私には,甲という子供が一人います。私は,その状態でAという方の養子になりました。その後,私には,乙という子供ができました。私が養親より先に亡くなったとき,甲も乙もAの相続人となるのですか?

A22 乙は相続人になりますが,甲は相続人にはなりません。
養子縁組をした段階で既に存在する親族(質問の場合ですと子)は,養親との関係で親族になることはありません。他方,養子縁組を行った後にできた親族は,養親との関係でも親族となります。
ですから,養子縁組を行った段階で既にあなたの親族である甲は相続人とはならず,養子縁組を行った後に親族となった乙は相続人となるのです。

Q23 私には,子供が甲,乙の2人います。そして,甲には子供(孫)Aが一人います。甲は,体が弱く,私の事業についてはAについでもらいたいと考えており,Aと養子縁組をしました。甲が亡くなり,その後も私も亡くなった場合,Aの相続はどのようになるのですか?

A23 Aは,あなたの養子として相続するとともに,甲の代襲相続人としても相続します。
この点について法律で明確に定められておらず,判例があるわけでもありません。
しかし,一般的に,質問のような二重に相続権を持つ場合には,二重に相続ができると考えられています。

Q24 子や孫などが一切いない場合,第2順位として両親や祖父母が相続人となることは分かりましたが,両親が片方健在で,祖父母とも健在である場合,相続関係はどのようになるのですか?

A24 亡くなられた方から見て,子や孫のことを直径卑属といいますが,直径卑属は子が亡くなっていれば孫,子も孫も亡くなっている場合にはひ孫という具合に際限なく代襲相続することになります。しかし,このような直系卑属が一切いない場合には,直系の尊属が相続人となり,直系尊属についても直系卑属同様に際限なく代襲相続することはQ14で説明したとおりです。
直系尊属の代襲相続で気をつけなければならないのは,最も近い尊属が現れた段階で,さらに進んで代襲していくということがないという点です。例えば,父は死亡したが母が健在で,亡くなった父方の祖父母も健在である場合に,父方の祖父母が父の相続を代襲して,母と父方の祖父母が相続人となるわけではありません。この場合,最も近い尊属である母が現れたことによって,父の代襲は発生せず母のみが相続人となるのです。

Q25 直系卑属,直系尊属が全くいないときには,第3順位として亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になり,兄弟姉妹が先に亡くなっている場合にはその子が相続人になることは分かりましたが,兄弟姉妹の孫についても相続人となるのですか?

A25 兄弟姉妹の孫が相続人になることはありません。 以前は,兄弟姉妹の卑属についても際限なく代襲相続することを認めていたのですが,昭和56年1月の民法改正で兄弟姉妹の代襲相続は一度のみということになり,甥,姪までということになりました。

Q26 両親(父母)が非常に安い価格で,自宅を売却しようとしています。このままでは,私たち兄弟(姉妹)が将来受けられる遺産がなくなってしまいます。両親(父母)の自宅処分を,近い将来相続人になる私たちが阻止することはできないのですか?

A26 できません。 将来,相続人になる予定の者のことを推定相続人と呼びます。そして,ここで両親(父母)は,将来,被相続人となる者ということになります。
推定相続人には,将来,遺産相続を受けられるという期待権が存在します。しかしこの期待権というのは,将来遺産を受けることができるというだけの権利でしかなく,将来被相続人になるであろう者の財産処分行為を止めることはできないのです。
逆の立場になって考えてください。自分が良かれと思って行った財産処分を子供から差止められるようではたまったものではありません。人は,判断能力が備わっている限り,自らの判断に従って,自由に財産を処分することができるのです。これを推定相続人であるというだけで,阻止することなどできません。

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