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相続回復請求

Q35 私の義兄(義弟)が,両親(父母)が亡くなる直前に,勝手に養子縁組の届けを提出し,相続人の一人になっていました。どのように対処すればよいでしょうか?

A35 義兄(義弟)が勝手にした養子縁組は無効です。このような無効な養子縁組に基づいて,本来相続人でなかった者が相続人の外形を整えている者のことを表見相続人といいます。この表見相続人から遺産を取り戻すには,相続回復請求を行うことになるのです。相続回復請求は,裁判所に訴えを提起しなくともよく,書面で請求することもできます。ただし,相続後の法律関係を早期に確定するために,相続回復請求は,表見相続の事実を知ったときから5年,または表見相続が行われたときから20年で行うことができなくなってしまいます。ですから表見相続の事実を知ったときには,早急に対処しなければなりません。
なお,勝手に養子縁組の届けを行い,戸籍上養子になる行為は,公正証書原本不実記載罪(刑法157条)の犯罪行為となりますので,悪質な場合には刑事告訴することも検討してもよいと思います。

Q36 私は,夫の子を身籠もっているときに夫を亡くし,続けて夫側の祖父も亡くしました。子供を産んでから気づいたのですが,祖母と夫の兄弟(姉妹)たちが遺産分割をすませていました。私の子供には相続権がないのでしょうか?

A36 胎児は,生まれてくる限り胎児の間でも相続人となります(Q20参照)ので,あなたの子供は,自らの遺産増続分を取り戻すことができます。
ここで問題になるのが取り戻すことができる期間です。最高裁の判例によれば,共同相続人が自らの相続権を侵害されたときに行う請求は,Q35で説明した相続回復請求によるべきとしています。ですからQ35で説明したような時効にかかってしまう可能性があります。
ただし,最高裁の判例では,遺産分割を行った者が,あなたの子供がお腹にいたことを知っていたときには,時効の主張ができないとされていますので,このときは時効により請求ができなくなるということはありません。

Q37 私は,夫の子を身籠もっているときに夫を亡くし,続けて夫側の祖父も亡くしました。子供を産んでから気づいたのですが,祖母と夫の兄弟(姉妹)たちが遺産分割をすませ,さらに財産を譲渡してしまいました。この場合にも財産を譲受けた者に対して,返還を求めることができるのでしょうか?

A37 基本的には返還を求めることができますが,返還を求めることができない場合もあります。
たとえば,祖母や父の兄弟(姉妹)たちが,あなたが妊娠していることを知らずに遺産分割をしてしまった場合には,相続回復請求の時効を主張することができます。そして,祖母や父の兄弟(姉妹)たちが時効の主張ができるとき,財産を譲受けた者も同じように時効の主張ができるというのが最高裁の判例です。ですから,このような場合には,遺産を取り戻すことはできません。
また,財産を譲受けた者に時効取得が成立した場合にも返還を求めることができないというのが多数の意見です。
ですから,上記したような場合には,返還を求めることができなくなると考えてよいと思います。

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